悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
突然求婚されても困ります!



 私は、手紙を持って震えていた。その手紙には、綺麗な男性の文字でこう書かれている。



『セシリアへ

 このたび、俺は君と結婚しようと思う。
 君のご両親にも挨拶をし、結婚を前向きに考えてくださっている。
 近々、正式に挨拶に伺う。

 君の愛しい、ルーカス・トラスター』




 何これ……


 何かの悪戯としか思えない。

 もちろんルーカスのことは知っているが、急にこんな手紙を送ってくるだなんて考えられない。私は誰かに嵌められたのだろうか。

< 1 / 260 >

この作品をシェア

pagetop