悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
「マルコス。君のおかげで、俺はセシリアと結婚出来そうだ」
ルーカスの言葉に、なんでそうなる!? と叫びたくなる。そして、お兄様はお兄様で調子が良くて、
「私でよろしければ、いつでもお力になります」
ルーカスに頭を下げる。
もう、お兄様も調子がいいんだから!! 私の味方ではなかったの!?
こうやって私はお兄様に救い出され、無事宿舎に戻ることが出来たのだ。
シャワーを浴びてベッドに入っても、ルーカスのことを考えて眠れなかった。ルーカスの笑顔や甘い声を思い出してしまう。そして、あのキスのことも……私は明日から、どんな顔をしてルーカスに会えばいいのだろう。