悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。

「セシリアも、今頃俺のことを考えているのかな。俺のこと、いい男だと思っただろうな」

 なにそのナルシスト発言。

「俺はセシリアに会って実感した。

 やっぱり、俺にはセシリアしかいないんだと」


 何も言えない……


「セシリア、ああセシリア。

 俺はもう、お前のことしか考えられない。
 お前の唇は柔らかく、甘い恋の味がした。
 お前を抱きたい。抱き潰してやりたい」



 なんだか変なポエムが始まってしまった。
 
 昨日はドキドキしたが、今のルーカスは愚かだ。そして見ている私が恥ずかしくなる。だが、ルーカスは、自分が恥ずかしいとは思ってもいないのだろう。

「お前が何と言おうと、俺は必ず捕まえに行く。

 お前がこの家に嫁いだら、お前の好きなキノコ料理をたくさん食べよう。もちろん俺は鼻をつまんで、頑張って食べるから。

 お前の好きな犬も飼おう。もふもふした犬に顔を埋めるように、俺はお前の胸の谷間に顔を埋めたい」

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