悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。


「あ……あの、ルーカス様……」

 恥ずかしすぎる私は、必死にルーカスを止めようとする。なんとしても、この愚かなポエムを止めたい。耳に毒だ。

 ルーカスは思いっきり私を睨む。そんなルーカスに言っていた。

「し、仕事してください!!

 せせせセシリアさんも、花祭りが開かれないと来れないでしょう!? 」

 そして、はっと思った。

 このままルーカスが仕事をして、無事花祭りが開催されることになったら……私はまたセシリアとしてルーカスに会うのだろうか。そしてルーカスは、またルーカスらしからぬ態度を取るのだろうか。またキスされるだろうし、ルーカスは抱く気満々だ。指南書まで読んでいるというし……

 私は、どうなってしまうのだろう。

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