悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
背中がゾゾーッとした。ルーカスはあれだけ私のために祭りの準備をしたのに、本心は抱くことで頭がいっぱいなのか。色々とときめいてしまって損した。
ため息をつく私に、ルーカスは告げる。
「は? まさかクソチビ、本気にしているのかよ? 」
えっ、むしろ本気ではないの!?
「マルコスには黙っていろよ。
あいつシスコンだし、俺がセシリアを想って妄想しているのを知ると、激怒するだろう」
いや、お兄様は遊び人だから何も思わないだろう。そして、お兄様に言うつもりもない。そして、私はルーカスに襲われないないよう、花祭りのメイン会場を絶対に離れないと心に誓った。