悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
指南書の知識しかないとルーカスは言うが、そのキスは私を溶かしてしまいそうだ。
何度も舌を絡ませ、唇を離しては甘い瞳で私を見下ろす。そしてキスは次第に首筋へと降りていき、私は身を捩っていた。そしてそのまま、そっとドレスの紐を解かれる。恥ずかしくて必死にドレスを押さえる私に彼は優しく唇を重ね、ゆっくりと布を剥ぎ取った。
「恥ずかしいよ」
真っ赤な私を見て、ルーカスも頬を染めている。そして、甘い声で囁く。
「セシリア、綺麗だ。
俺はお前に触れることが出来て、この上なく幸せだ」
隠すことなく愛を囁かれ、何度もキスをされ、私の頭は麻痺していく。駄目だと分かっているのに、ルーカスに抱かれたいと思ってしまう。
こうして、私はルーカスの思惑通り、ルーカスに抱かれた。
普段のルーカスからは考えられないほど、甘く優しく。ルーカスは溢れる私の涙をそっと唇で拭い、ずっと抱きしめていてくれた。そして、言い聞かせるように何度も囁いた。
「大丈夫だ。お前は絶対に俺のものになる」