悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
分かっていることなのに、胸が抉られたように痛い。体が震え、立っていることがやっとだ。
これ以上、家族を不幸にしてはいけない。それに、ルーカスだって不幸にしてはいけない。だから私は、ルーカスから身を引かなければいけない。
傲慢で自己中だが、根は優しいルーカス。私だけを愛してくれて、恥ずかしげもなく愛を告げてくれるルーカス。私なんかをお姫様扱いし、大切にしてくれるルーカス。
ルーカスを想うと胸が痛い。本当に、ルーカスが大好きだった。
こんな私を好きになってくれて、ありがとう……