悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
「セシリア。結婚式の明日は、お前も朝早く起きなければならないだろう。
本当は抱きたいけど、今日は早く寝ろ」
ルーカスは、また恥ずかしげもなくそんなことを言う。ルーカスは平然としているのに、私の顔は真っ赤になってしまう。
私は頬を染めたまま、
「そうね」
慌てて部屋を出ようとした。
重くて重厚な扉を開けた私を、
「セシリア」
ルーカスが呼び止める。
振り向いた先には、切なげで、そして嬉しそうな笑みを浮かべたルーカスが立っている。
「愛してるよ」