悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
「俺、きっとセシリアに相応しい男になる。お前よりも優しくて、強い男になる」
何言っているの。ルーカスはずっと、私よりも強くて優しい男性だったのに。
だけど、ルーカスがそう言うなら、私だって言ってあげよう。
「私も、ルーカスに相応しい女性になるわ」
ルーカスは少し驚いたように私を見た。
「ルーカスがずっと好きでいてくれるって、自信を持って生きるわ」
「……何言ってんだ。俺はお前のこと、一生ずっと好きなのに」
彼は照れたようにぼやいて、ついばむようなキスをくれた。
ー完結ー