悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
「よし!」
私は意を決して立ち上がった。やるべきことが見えたのなら、あとはこなすのみだ。
こんな私に、
「何がよし、だ!」
ルーカスはイライラしたように告げる。そして怒りに満ちた顔で私を睨んだ。
「お前は、俺の手を煩わせるために来たのか!
自分がしたことだ。自分で片付けろ!! 」
ルーカスは怒りで震える指で、崩れ落ちた本の山を指さしている。まさか、私が片付けをしないとでも思っているのだろうか。残念ながら、私は本の山を片付ける以上のことをしようと思っている。あとで謝っても許さないから。