悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
ルーカスは馬鹿にするように私を見て、一歩また一歩と歩み寄る。その綺麗な顔と、嘲笑うような視線にどぎまぎしながら。
そしてルーカスは、何の前触れもなく、がばっと私の手首を掴んだのだ。
必死に手を引こうとするが、男の力で押さえつけられてびくともしない。そのまま、ルーカスに床に押し付けられた。
見る人が見れば、今の私はかなり際どい場面に直面していると言えるだろう。
大人の男に馬乗りになられ、両手首を床に押さえつけられているのだから。
このままことに及ぶと見えるかもしれないが、そんなはずはない。だって、今の私はセリオだから。そんなこと分かっているはずなのに、胸がドキドキする。もちろん甘いドキドキではなく、不吉なドキドキだ。
ルーカスは私の上に跨ったまま、勝ち誇ったように私を見下ろす。そして、意地悪く口元を歪めたまま、私に告げた。
「クソチビ。お前、女みたいだから、お前のチ◯コを見てやる。
写真でも撮って、ばら撒いてやろうか? 」