悪役令息とは結婚したくないので、男装して恋愛工作に励みます。
ルーカスは、怒りのこもった瞳で私を見る。嫌だ嫌だと言っているのに、私が令嬢たちをけしかけるからだろう。だが、今日の舞踏会に私の運命もかかっているのだ。何としても、いい令嬢を見つけてもらわないと……!!
「おい、クソチビ」
ルーカスは。いつものようにイライラしながら私に告げる。
「どういうつもりだ? 」
どういうつもりも何も、ルーカスにいい令嬢を当てがうだけだ。
どの令嬢もおしとやかで綺麗なのに!
「で、ですからあの……ルーカス様も、新しい恋をしたほうがいいかと思いまして……」
ここで負けては行けないと思い、私は必死で答える。
「この世には、女性は星の数ほどいますから……」
「それでも俺はセシリアを愛しているんだ」