彼は意地悪なボイスアクター〜独占欲の強い彼に溺愛され狂いそうです〜
俺は女達のあとを目で追った。

案の定、階段の中に入っていく。


(最高にクズな奴らだな)


俺は螺旋階段を降りて後を追った。

重い扉を開けて階段のところへ行くと頭上から女達の声がした。


「きっとトイレだよ。行こ!」


きゃっきゃと笑う声が聞こえた。

俺は何故だが、放っておくことが出来ず女達の後を追った。

薄暗いフロアがあり、階段のすぐそばにトイレがあった。

中から声が聞こえた。

俺はトイレの前で大きな声で話す女達の声を聞いた。


(こいつら、わざとやってるのか)


及川の女とは初対面。

本来なら放っておいて良いことだ。


(俺の野次馬根性も最悪だな)


それにしても、聞こえてくる言葉の数々は明らかにひがみ。

そんなに嫌なら一緒にいなければいいのに。しかも3対1で。

中学生の時にこんな場面に出くわしたことがある。

女という生き物は成長しないのか。

いい年して、こんなことをしてくだらない。

気がつくと俺は怒りで胃がムカムカした。
< 14 / 50 >

この作品をシェア

pagetop