彼は意地悪なボイスアクター〜独占欲の強い彼に溺愛され狂いそうです〜

友人の結婚式の帰り

私は中学の同級生の結婚式に参列した。

二次会がなかったので、親友の麗依とカフェでお茶をした。


「真美、綺麗だったね」

「本当だね~幸せそうだった。どうするよ、うちら」

「どうするって?麗依はいるじゃないの、彼氏が」

「でも彼、まだ大学生だから結婚とか考えてないと思うんだよね。もうすぐ30だし、婚活しようかな」

「ちょっと!それじゃ、可哀想でしょ!あの子、麗依のこと、大好きなんだからさ」

「ん~だけど、結婚は別じゃないかな~」

「そんなこと、言わないであげてよ。あんな良い子、可哀想だわ」

「って、私のことはいいのよ!あんたよ!歩美!あれから、もう7年だよ?そろそろ恋愛、解禁しても良いんじゃないの?」

「いいの!私には決まった彼がいるから」

そう言って鞄の中からアクスタを取り出す。

「げげ!こんなところまで持って来てるの」

私はあの日から及川さんを忘れる為、頑張った。

毎日が辛くてどうにかなりそうだった。

及川さんはプロデューサー業から外され、私は制作部から出ていくことになった。

地下部署と言われているライブラリーに配属になった。

毎日、ほとんど人と話さず居れるその場は楽だった。

職場の人たちも良い意味で無関心で、私に興味はない。

だから噂話などは耳に入らなかった。

あれから7年、食堂には行っていない。

私は食事も3階のフリースペースか2階にある一般人も入れるレストランで食事をしていた。
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