彼は意地悪なボイスアクター〜独占欲の強い彼に溺愛され狂いそうです〜
「わぁぁぁぁ!!!」

「はいはいはい。よしよーし」


仕事終わりに麗依を呼び出しカラオケルームで大号泣。

あの後のことは何も覚えていないくらい恥ずかしい。

穴があったら入りたいとはこのことだ。


「そうです。私はストーカーですー」

「まあ、確かにスタジオまで行くのはダメだよね~」

「本当だよね。舞い上がり過ぎてた。でも確かめたかったのよ」

「でさ、どんな顔してるの? リーガル」

「気になる?」

「気になる!」

「てか、それ聞きに来たんだし」

「慰めに来たんじゃないの?」

「それはついでww」

調子の良い麗依のこういう態度には少しだけ救われる。

私は彼のことを思い出した。

「綺麗な顔してた」

「美形なんだ! それで顔出ししないのは、なんでだろうね」

「確かにあの顔なら昨今の声優ブームで引っ張りだこだよ。鼻筋が通ってて、目は切れ長って感じかな。でも、あまり凝視してないから、わからない。ただ……」

「ただ?」

「なんだか、冷たい目をしていた気がする」


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