彼は意地悪なボイスアクター〜独占欲の強い彼に溺愛され狂いそうです〜
弱き心
上半身だけ起こした那原さんに抱きしめられる。


「行かないで。1人にしないでくれ」


心臓が波打つように大きく鳴る。


「那原さん……」


「お願いだ。もう少しだけ。このままで」


そう言うとさらに強く抱きしめられた。
胸のところに那原さんの顔があり、心臓の音が聞かれてしまうと思って少し身を引くが、那原さんは強引に私を引き寄せた。
私は那原さんの髪の毛に触れた。
頭を撫でると少し安心したのか、手が緩んだ。


「那原さんが寝るまで傍にいるので、安心して下さい」


私はそう言って、那原さんを再びソファに横たえた。
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