『Special Edition③』
*
「朝早かったから、ぐっすりね」
「歯磨きもさせてるから、ゆっくり寝かせておこう」
少し遅めのお正月休みを頂いた私は峻に起こされ、何が何だか分からぬまま、車に乗せられた。
年末年始を無休で仕事した私へのご褒美だと峻は言うけれど、何となく期待してしまう。
だって明日は……私たちの結婚記念日だから。
チャイルドシートに収まっている忍は、車内の暖房と心地よい揺れに誘われて、すっかり夢の中。
小さな手には、スカイレンジャーの戦隊フィギュアが握られている。
「つぐみも、眠かったら寝てていいぞ」
「大丈夫。十分休ませて貰ったよ」
SUV車を運転する峻は、後部座席に座る私をバックミラー越しに捉えた。
そんな彼にニコッと笑顔を向ける。
峻と忍で準備してくれたのは二泊三日の温泉旅行らしく、私の荷物も殆ど用意されていた。
本当に手抜かりがない旦那様だ。
出張が多いから荷造りはお手の物で、旅行計画の予約などもいつも彼に任せっきり。
こういう時に、頼りがいがある旦那様でよかったとつくづく思う。
「どこの温泉なの?」
「着いたら分かるよ」
『ちょっと距離走るから、早めに出るぞ』と言われて、自宅を8時前に出発した。
首都高速から東名高速道路に入り、新東名高速道路へと進む。
SAで何度かトイレ休憩を挟んで、午後3時前には三重県に到着した。
高速道路を下りて山道のような道を少し上ると、お目当ての宿に到着。
「朝早かったから、ぐっすりね」
「歯磨きもさせてるから、ゆっくり寝かせておこう」
少し遅めのお正月休みを頂いた私は峻に起こされ、何が何だか分からぬまま、車に乗せられた。
年末年始を無休で仕事した私へのご褒美だと峻は言うけれど、何となく期待してしまう。
だって明日は……私たちの結婚記念日だから。
チャイルドシートに収まっている忍は、車内の暖房と心地よい揺れに誘われて、すっかり夢の中。
小さな手には、スカイレンジャーの戦隊フィギュアが握られている。
「つぐみも、眠かったら寝てていいぞ」
「大丈夫。十分休ませて貰ったよ」
SUV車を運転する峻は、後部座席に座る私をバックミラー越しに捉えた。
そんな彼にニコッと笑顔を向ける。
峻と忍で準備してくれたのは二泊三日の温泉旅行らしく、私の荷物も殆ど用意されていた。
本当に手抜かりがない旦那様だ。
出張が多いから荷造りはお手の物で、旅行計画の予約などもいつも彼に任せっきり。
こういう時に、頼りがいがある旦那様でよかったとつくづく思う。
「どこの温泉なの?」
「着いたら分かるよ」
『ちょっと距離走るから、早めに出るぞ』と言われて、自宅を8時前に出発した。
首都高速から東名高速道路に入り、新東名高速道路へと進む。
SAで何度かトイレ休憩を挟んで、午後3時前には三重県に到着した。
高速道路を下りて山道のような道を少し上ると、お目当ての宿に到着。