『Special Edition③』
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クリスマスイブの午前中、白杜と茜は都内にあるクリニックを訪れている。
「来るの2回目なのに、前回より緊張する」
「茜のがうつったかな。俺まで緊張して来た」
お互いに顔を見合わせて、クスっと笑みが零れた。
2週間前に受けたブライダルチェック。
男女ペアで受けられる病院は限られていて、さらに土日に受けられる病院となると、数軒しかなかった。
たまたま空きがあったこともあって、あの晩の翌日にすぐに検査を受けた2人。
茜は国際線フライト明けの休日。
白杜は会社を休み、『この機会を逃すわけには……』と、ちょっとした強迫観念のような使命感のようなものを感じていた。
クリニック内は白と淡いピンク色で統一された色調で、所々に観葉植物が置かれている。
院内に流れているBGMは優しいピアノの音色で、ゆったりとしたメロディーが心を落ち着かせてくれる。
不妊治療もしているこのクリニックは土日も診療していて、高度生殖補助医療も行われている有名な病院。
待合室は激混み状態で、夫婦で訪れている人も多く、男性陣は皆気を遣って壁際に立っている人が殆ど。
そんな中、白杜と茜は少し前に名前を呼ばれていて、中待合室にいる。
「矢吹さーん」
甲高い看護師さんの声が中待合室に響く。
「はい」
「1番診察室へ」
「……はい」
白杜は茜の手に自分の手を重ね、優しい笑みを向ける。
「行こうか」
「はい」
クリスマスイブの午前中、白杜と茜は都内にあるクリニックを訪れている。
「来るの2回目なのに、前回より緊張する」
「茜のがうつったかな。俺まで緊張して来た」
お互いに顔を見合わせて、クスっと笑みが零れた。
2週間前に受けたブライダルチェック。
男女ペアで受けられる病院は限られていて、さらに土日に受けられる病院となると、数軒しかなかった。
たまたま空きがあったこともあって、あの晩の翌日にすぐに検査を受けた2人。
茜は国際線フライト明けの休日。
白杜は会社を休み、『この機会を逃すわけには……』と、ちょっとした強迫観念のような使命感のようなものを感じていた。
クリニック内は白と淡いピンク色で統一された色調で、所々に観葉植物が置かれている。
院内に流れているBGMは優しいピアノの音色で、ゆったりとしたメロディーが心を落ち着かせてくれる。
不妊治療もしているこのクリニックは土日も診療していて、高度生殖補助医療も行われている有名な病院。
待合室は激混み状態で、夫婦で訪れている人も多く、男性陣は皆気を遣って壁際に立っている人が殆ど。
そんな中、白杜と茜は少し前に名前を呼ばれていて、中待合室にいる。
「矢吹さーん」
甲高い看護師さんの声が中待合室に響く。
「はい」
「1番診察室へ」
「……はい」
白杜は茜の手に自分の手を重ね、優しい笑みを向ける。
「行こうか」
「はい」