あなたの居る未来が欲しかった
しかし、それは許されない夢。

いま着ている、パステルカラーのワンピースだって、こんな服は自分なら決して選ばない。

パステルカラーなんて、他のどんな色にでも簡単に塗り替えられてしまう…だから嫌いなのだろう。

今までは親の言いなりで、これからは、男を立てる女で居なければいけないのか。

それに、子供は産みたくない、などということも許されないだろう。

私の人生って何…?

ホテルのラウンジで、見合い相手を待つ。

現れた男は、モテそうなルックス、優秀な外科医、次男坊。

相手は愛想よく笑っていたが、何とも嘘くさい笑顔だ。

あとはお若い二人だけで…となったあと、見合い相手は一方的に話し始め、私は作り笑いで聞き流していたが、

「ごめんなさい。ちょっと、化粧室に…失礼します」

そう言って席を立った。

失礼な奴だと思われて、断ってくれたら丁度いい。

それならば、いっそ…。
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