あなたの居る未来が欲しかった
これから、どうしよう…?

何も考えずに飛び出したが、自分で自分に呆れる。

そういえば、昔も、ここへ逃げてこようとした…大好きな人と二人きりで。

とにかく、疲れた。

心身ともに疲れ果てた…。


気付くと、そのまま駅のベンチで居眠りしてしまったようだ。

どれぐらい、そうしていたのだろう?

「お客さん、起きてください」

寝ぼけ眼で声の主を見遣る。

「大丈夫ですか?って…もしかして緒方?」

声をかけた人は、ここの駅員のようだ。

しかし、その顔も声も、私はよく知っている。

「戸倉…?えっ、うそ!?」

一瞬にして覚醒した。

会えなくなって、6年。

当然ながら、もうあの頃の少年ではない。

「戸倉…ここで何してるの?」

「何って、見ての通り、ここで働いてるんだよ」

そうだ。

戸倉は、部活少年で、鉄道好きでもあった。
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