あなたの居る未来が欲しかった

幸せいっぱいのやり取りをしていると、弓道部の先輩たちや、同級生からも冷やかされたが、私たちは周りの目など気にしなかった。

初々しいことに、毎日毎日、交換日記もやり取りしていた。

本当は電話もしたかったが、親が激怒するのは目に見えていたので、限られた時間と、交換日記だけが二人を繋ぐもの。

それだけでは足りなくて、やはりデートぐらいしたいという思いもあって当然だろう。

親に見つかると面倒だから、遠くでデートしたいとワガママを言い出した私。

そして、地元から少し離れた小京都で、未成年だてら冬の酒蔵めぐりをした。

周りは外国人観光客ばかりだし、私服姿なので、いつもより大胆に腕を組みながら、

「こうしていると寒くないね」

などと言いながら歩いて…。

学校でもいつも一緒、時折こっそり遠くでデートして、本当に幸せな日々だった。