姫と僕〜僕達は盲目的に想い合う〜
「――――いただきます!」

レジャーシートを広げ、弁当を広げる。
二人は手を合わせ、弁当を食べ始めた。

「フフ…」
弁当を食べながら、秋穂が不意に笑い出す。

「ん?アキ?」

「幸せだなって!」

「フフ…そう?」

「うん!」

「フフ…アキは、欲がないね(笑)」

「え?そうかな?」

「うん。
だって、あんまいないんじゃないかな?
お弁当持って公園デートなんて!
もちろん、桜の花見とかではいるかもだけど…」

「うーん…
賑やかな所は、苦手だから…
こうゆう、静かな所が好き」

「そうだね!」

「今は誰もいないから、最高!」

「フフ…
……………あ!アキ!」

「ん?
え……―――――――」
不意に嵐人の顔が近づいてきて、口唇が重なった。

チュッとリップ音がして離れ、嵐人が口元で囁いた。
「誰もいないと、こんなことも出来るね……!」

「……/////
嵐く…いくらなんでも、ダメだよ…//////」

「フフ…
ねぇ、もっとしたいな……!」

「だめ…///////」

「でも誰もいないよ?」

「……/////」

嵐人の色っぽくて、どこか妖しい声色。
秋穂はドキドキして、嵐人から目が離せない。
そして、目が潤んでくる。

「……/////アキ、誘ってるの?」

「え…//////
そ、そんなことしてないよ!/////」

「でもね……
……………誘われた―――――――」

それから何度も、キスを繰り返した。


弁当を食べ終わり、指を絡めて手を繋ぎゆっくり公園内を歩く。

「風が気持ちいーね!」
「うん、でも暑くなってきたね…(笑)」

「確かに…(笑)
なんか、冷たい飲み物買おうよ!
水筒のお茶、飲んじゃったし…」

公園内の自動販売機に向かう。
「嵐くん、一緒に飲もう?」
「うん」

「何がい?」
「うーん…」

炭酸系の飲み物が飲みたい。
しかし、秋穂は炭酸系は苦手だ。

「紅茶にしようかな?」

「え?紅茶?」

「うん、紅茶」

「コーラとか、サイダーが飲みたいんじゃないの?」

「でも、アキも飲むでしょ?
紅茶で構わないよ!」

「ダメだよ!
私は少し貰えればいいんだから!
えーと…コーラにしようね!」

そう言って秋穂は、コーラを購入した。
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