姫と僕〜僕達は盲目的に想い合う〜
「私、ドキドキしてきた//////」
「私も!//////」
「ほんと、可愛いよね//////秋穂ちゃん」  

女性達が、秋穂に見惚れていた。


「――――頼むよぉ〜ラン〜!」
「嫌だよ」
一方の嵐人達。

嵐人は、一基にすり寄られていた。

「暑苦しいよ…やめてよ…
それに、煙草!!
火、消してよ!
煙いし、灰が落ちるでしょ!」

「良いって言うまで、くっつくー!」

「てか、アキとツーショットの写真って…
嫌に決まってるでしょ!」

「いいじゃんか!
家宝にするからさ〜!」

「家宝って…
ツーショットじゃなくて、みんなで撮ればいいでしょ!
もちろん、アキがOKしたらの話だけど」

「だって、邪魔なんだもん!」

「………」

「あ、怒った?」

「………」

「怒ったよね?」

「………」

「ラン、怒ったら黙るもんな〜(笑)」

「一基」

「んー?」

「アキのこと、諦めてよ」

「は?」

「言っておくけど、僕は“絶対”アキを手放さないからね」

「わかってるっつうの…」
一基が、煙草を灰皿に潰し呟く。
そして嵐人は、ビールをぐいっと飲み干した。


そして――――

嵐人達が居酒屋を出ると、秋穂達が待っていた。
「アキ!」

「あ…嵐くん…!」
パタパタ…と駆け寄り、嵐人の服をキュッと掴んだ。

「何これ(笑)」
「仕草まで可愛いんだけど!」
「私も真似しようかな?(笑)」
「無理、無理(笑)
似合わない!」
「だよね〜(笑)」
「秋穂ちゃんがするから、可愛いのよ!」

女性達が、見惚れて感心している。
それをよそに、嵐人と秋穂は微笑み合っていた。

解散して、駅に向かう嵐人と秋穂。

「秋ちゃん!」
そんな二人を追いかけて、間を遮るように一基が割って入った。

「え?一基くん?」

「写真撮らない?」

「写真?」

「三人で!」

「三人?
………って、この三人?」

「うん!俺と秋ちゃんと……ついでに、ラン」

「うん、三人なら…」

「やった!
…………ラン、いいよな?
“秋ちゃんがいいって言ったんだから”」

意味深に一基が言い、嵐人はしかたなく頷いた。

一基が自身のスマホを構え、スリーショットが撮られた。
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