姫と僕〜僕達は盲目的に想い合う〜
落ち込んだようにトボトボ歩く、秋穂。
嵐人は近くにいた女性達に声をかけられ、楽しく会話していた。
いつも秋穂の傍を離れず、秋穂以外の人間と話もしない嵐人。
あまり見ない光景に、秋穂の不安と嫉妬心は膨らみ“来なきゃ良かった”と後悔を生んでいた。
駅に向かっていると、後ろからバイクが近づいて来て秋穂の前で止まった。
「秋ちゃん!?」
ヘルメットを外した人物は、一基だった。
「一基くん?」
「髪、切ったんだ〜!
ヤバ…/////可愛すぎ!!!」
「あ…ありがとう…」
褒めてもらったのに、今は喜べる心境ではない。
さっきの光景が、頭の中にこびりついているからだ。
「どうしたの?」
「え?あ…ううん!」
「………ねぇ!
どっか行かない?」
「え?」
「とっておきの場所があるんだぁ!
そこ、涼しいし!
行かない?
もちろん、ランが帰るまでには帰すから!」
“僕のバイト中、一基と二人で会ったりしないで”
嵐人の言葉が、頭の中をよぎる。
でも、秋穂の頭の中には先程の光景。
「うん、行こうかな…」
「よし!
じゃあ…はい!」
ヘルメットを渡され、バイクに跨った。
「ちゃんと掴まっててね!」
そして着いたのは、山の上の公園だった―――――
「ここさ、山の上だから涼しいし、川が流れててスゲー冷たくて気持ちいいんだ〜!」
「へぇー!
確かに、風が冷たくて気持ちい〜」
「だろ?」
川の水に触れてみる。
「冷たーい!
気持ちい〜!」
「フフ…だろ〜?」
「嵐くんにも教えてあげたいな!」
「………なん…で?」
「え?一基くん?」
「なんで、ラン?
今は俺といんだから、ランの話はやめろよ…」
「え?一基…くん?」
一基の切ない声色に、秋穂が固まる。
「え?あ…ご、ごめん!!
…………え、えーと…あ!川、入ってみない?」
「え?」
「気持ちいーよ!」
そう言って一基は、靴と靴下を脱ぎ、川に足をつけた。
一基の足首くらいの水かさで、一基は「気持ちい〜!!」と笑う。
「秋ちゃんも、入りなよ!
気持ちいーよ!!」
「う、うん」
サンダルを脱いで、ゆっくり足を浸けた。
嵐人は近くにいた女性達に声をかけられ、楽しく会話していた。
いつも秋穂の傍を離れず、秋穂以外の人間と話もしない嵐人。
あまり見ない光景に、秋穂の不安と嫉妬心は膨らみ“来なきゃ良かった”と後悔を生んでいた。
駅に向かっていると、後ろからバイクが近づいて来て秋穂の前で止まった。
「秋ちゃん!?」
ヘルメットを外した人物は、一基だった。
「一基くん?」
「髪、切ったんだ〜!
ヤバ…/////可愛すぎ!!!」
「あ…ありがとう…」
褒めてもらったのに、今は喜べる心境ではない。
さっきの光景が、頭の中にこびりついているからだ。
「どうしたの?」
「え?あ…ううん!」
「………ねぇ!
どっか行かない?」
「え?」
「とっておきの場所があるんだぁ!
そこ、涼しいし!
行かない?
もちろん、ランが帰るまでには帰すから!」
“僕のバイト中、一基と二人で会ったりしないで”
嵐人の言葉が、頭の中をよぎる。
でも、秋穂の頭の中には先程の光景。
「うん、行こうかな…」
「よし!
じゃあ…はい!」
ヘルメットを渡され、バイクに跨った。
「ちゃんと掴まっててね!」
そして着いたのは、山の上の公園だった―――――
「ここさ、山の上だから涼しいし、川が流れててスゲー冷たくて気持ちいいんだ〜!」
「へぇー!
確かに、風が冷たくて気持ちい〜」
「だろ?」
川の水に触れてみる。
「冷たーい!
気持ちい〜!」
「フフ…だろ〜?」
「嵐くんにも教えてあげたいな!」
「………なん…で?」
「え?一基くん?」
「なんで、ラン?
今は俺といんだから、ランの話はやめろよ…」
「え?一基…くん?」
一基の切ない声色に、秋穂が固まる。
「え?あ…ご、ごめん!!
…………え、えーと…あ!川、入ってみない?」
「え?」
「気持ちいーよ!」
そう言って一基は、靴と靴下を脱ぎ、川に足をつけた。
一基の足首くらいの水かさで、一基は「気持ちい〜!!」と笑う。
「秋ちゃんも、入りなよ!
気持ちいーよ!!」
「う、うん」
サンダルを脱いで、ゆっくり足を浸けた。