姫と僕〜僕達は盲目的に想い合う〜
姫と騎士
夏休み真っ最中………

秋穂は、毎日ご機嫌だ。
「フフ…毎日、ずーっと嵐くんといられる〜!」

「フフ…アキ、暑いよ…(笑)」

「やだー、離れないもん!」
嵐人にべったりくっついて、何処に行くにも離れない。

「でもアキ、今日はアルバイトの日だから、もうそろそろ準備しないと」

「あ…そうか…
今日は、何処?」

「△△の肉フェスだよ!」

「そっか」

「あ、アキもおいで?」

「え?」

「えーと…ほら、ここ!僕、今日はここの出店で働くんだ。
近くのテーブルにいたら、ずっと一緒にいられるよ?」
嵐人がスマホに保存している写真を見せてきた。
肉フェスのパンフレットを撮った写真だ。

「うん、そうしようかな?」

「それなら、僕もアキといれるから嬉しいし!」


嵐人がアルバイトに出ていき、秋穂も出かける準備をしていた。

するとそこに、秋穂の唯一の仲の良い友人・サエから電話がかかってきた。

「もしもし?」

『秋穂〜久しぶり?』

「久しぶり!」

『今、忙しい?
嵐人とラブラブ中?』

「大丈夫だよ!
嵐くんは、アルバイトに行っちゃったから…」

『じゃあ…私と遊んで?』

「うん!遊ぶ!」

サエも嵐人と同じく幼なじみで、唯一仲の良い女友達だ。

サエは高校卒業してすぐに就職をしたので、毎日忙しくなかなか会えずにいた。

久しぶりに会えることに秋穂は、嬉しそうに準備をしマンションを出た。


カフェに待ち合わせて、向かうと……
サエはすでに来ていて、手を振り待っていた。

秋穂も小さく手を振り、席に向かう。

「久しぶりね!」

「うん!仕事、どう?」

「毎日、大変!(笑)
でも、やりがいはあるわよ!」

「そっか!
やっぱ、サエちゃんは凄いなぁ!」

「ん?」

「私は……
嵐くんがいないと何も出来ないから。
依存しちゃってて、すぐ嫉妬しちゃうし…
ダメダメなの…(笑)」

「でもそれは、嵐人のせいでしょ?
…………あの人、ほんと策略家っていうか…ある意味狡猾よね…(笑)」

「え?サエちゃん?」

「あ、ううん!」

「嵐くんは、素敵な男性だよ?
いわゆるスパダリ!」

「あ、ま、まぁね(笑)
まぁ…悪い人ではない。
むしろ良い人の部類。
でも…秋穂に関することは、ね……(笑)」 

「え?え?サエちゃん?」
ブツブツ言っているサエに、首を傾げて顔を覗き込む秋穂。

「…………秋穂はさ」

「ん?」

「“将来”どうするの?
大学卒業したら」

「それは……」

「“嵐くんのお嫁さん!”とか?」

「……/////で、できれば…」
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