姫と僕〜僕達は盲目的に想い合う〜
「だよね(笑)
まぁ、嵐人もそのつもりなんだろうからいいけど!」

「そうかなぁ」

「じゃないと、あの嵐人が同棲なんかしないわよ!」

「そうかな?」

「えぇ!
同棲も、バイトも…将来を見据えてのことよ、絶対!」

「だったらいいな!」

「きっと、そうよ!」


それから――――秋穂が、嵐人の働いている肉フェスに行きたいと言い、二人は肉フェス会場に向かった。

「嵐人は何処?」

「確か、ステーキのとこ……あ!」
「いた!」

「嵐くん…//////」

「“嵐くん、カッコいい〜!”って顔してんじゃないわよ!(笑)」

「だ、だって…/////」

「せっかくだから、食べようよ!ステーキ!」

「うん!」

嵐人のいるステーキの出店に並ぶ。
秋穂とサエの順番になり……

「アキ!
あ、サエと来たの?」

「うん!久しぶりに遊んでるの」

「そっか!
良かった!
寂しくないね!」

「うん!」
「嵐人、とりあえずステーキ丼一つずつね!」

「え?
二人で一つにしなよ。
アキはこんな沢山食べれないから!」

「はい?
嵐人、売る気ある?
嵐人は売る方なのよ?(笑)」

「そうゆうことを言ってるんじゃないよ?
…………あ!とにかく、後が詰まってるから」

「あ、そうね」
秋穂とサエは、ステーキ丼を一つ買った。

「アキ、熱いから気をつけて食べるんだよ?」

「うん!」

「できる限り、僕から見える所にいて?」

「うん、わかった!
嵐くん、お仕事頑張ってね」

「………フフ…!初めて“仕事頑張って”って言ってくれたね!(笑)」

「あ…そうだね(笑)
ごめんね」

「ううん!」


秋穂とサエは、近くのテーブルに向かった。
そして嵐人を見つめながら、ステーキ丼を食べている。

「秋穂」

「ん?」 

「秋穂はさ、嵐人のどこにそんな惚れてるの?」

「え?どこって…
全部だよ?
嵐くんの存在全て」

至って真面目な顔で言う、秋穂。

「それなんか…重くない?」

「重い?
うーん…恋愛は、重いもんでしょ?
相手の全てが好きだから、みんな付き合うんじゃないの?
結婚なんか特に、重くないと!」

「ごもっとも…(笑)」
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