姫と僕〜僕達は盲目的に想い合う〜
「―――――うん!やっぱ、似合う〜!」

それから二人は、ショッピングモールへ行き、服を見て回っていた。

試着する秋穂を、絶賛しているサエ。

「そ、そうかな?//////」

「うん!
やっぱ、美人は何でも着こなすわよね〜!」

「じゃあ…買おうかな?」


ワンピースを一着購入し、モール内のカフェに入った。
「やっぱ、施設内は涼しいわ〜(笑)」

「そうだね!
でもあの暑い中、嵐くんは頑張ってるんだよね…
凄いなぁ!」

「フフ…帰ったら、マッサージでもしてあげたら?」

「それいいね!
うん!そうする!」

「たまには、甘えさせてあげな?」

「うん…それ、何度も言ったことあるの…
でも……」  

「ん?」

「私、頼りないでしょ?
だから“大丈夫だよ”って言われるの…」

「そっか(笑)」

「私がサエちゃんだったら、嵐くんもきっと甘えてくれると思うんだけど…」
 
「まぁ…秋穂は、甘えてるのが合ってるもんね!(笑)」

「お恥ずかしながら……//////」


それからも、楽しく会話をしていると……
嵐人から電話がかかってきた。

「あ!嵐くんだ!
サエちゃん、ちょっと出てくるね!」

パタパタ…とカフェを出て、電話に出た。
「もしもし?嵐くん、終わった?」

『あ…う、うん…』

「ん?なんか、声、聞こえにくい…」

『アキ、あのね?』

「う、うん…」
嵐人の声色が緊張していて、秋穂も思わず緊張する。

『今日、職場の飲み会に誘われたんだ…』

「え?そう…なんだ…」

『肉フェスが今日までだから、そのスタッフ達で“お疲れ様会”みたいな』

「………わかった…」

『それでね。
遅くなると思う。
肉フェスが終わってから、みんなで飲むから…
ほら、肉フェスが20時まででしょ?それからだから……』

「そっか…」

『あと…』

「え?」
(まだなんかあるの?)

『アキに言ってなかったんだけど、そのスタッフの中にヒカリがいるんだ…』

「え……ヒカ…リ…ちゃん、が…?」

『うん。
ほんとにたまたま、アルバイト先が同じで……
仕事中は持ち場は違うし、全然関わることなかったから、アキに言わずに済むと思ってたんだけど……』

「行か―――――
あ…ううん…わかった…
大丈夫だよ、嵐くんを信じてるから…」

秋穂は“行かないで!”と言いそうになるのを必死に堪え、消え入りそうな声で返事をした。

サエに事情を話すと“じゃあ、私とピザ食べに行こう?”と言ってくれて、二人はイタ飯店に向かった。
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