姫と僕〜僕達は盲目的に想い合う〜
先程と同じように秋穂の隣に座り、秋穂の手を包み込みギリギリまで傍にいる、嵐人。
「アキ」
「ん?」
「アルバイトの話だけど」
「うん」
「僕のアルバイト中、一基と二人で会ったりしないでね?」
「え?一基くん?
どうして、一基くんが出てくるの?
一緒に働くんでしょ?」
「そうだけど。
シフト制だし、一緒の時間帯とは限らないでしょ?」
「うん、まぁ」
「だからね。
二人で会ったりしないで?」
「うん、わかった」
「週三だし、そんな長い時間じゃないし、昼間だし、ちゃんとお留守しててね?」
「うん」
秋穂は頷きながら(どうして突然、そんな事言うのだろう)と不思議に思っていた。
二限目の講義が終わり、嵐人と秋穂は学食に向かった。
この時間からは、比較的秋穂は元気になる。
あとの二限は、嵐人と同じ講義を取っているからだ。
「あとは、一緒だね!」
「うん!」
嬉しそうに笑う秋穂に、嵐人は頭をポンポンと撫で微笑み返した。
「何食べようか?」
嵐人達の通うこの大学の学食は、美味しいと有名。
なのでこの時間帯の学食内は、学生達が多く賑やかだ。
メニューも豊富で、二人はいつも悩む。
「今日は、ロコモコにする!」
「じゃあ、僕は……天丼にしようかな?」
ここの学食は、まず食べるメニューを決めて、席を取ってから注文をする決まりだ。
二人は、あいている席を探す。
すると……
「ラン〜、秋ちゃーん!こっち!」
一基が呼んでいる。
一基の周りには男女の友人達がいて、二人分の席も確保してくれていた。
二人はそこに向かい、あいていた席に並んで座った。
「ありがと」
「一基くん、ありがとう!」
「ううん〜!
ほんっと、可愛すぎ!」
向かいに座っている一基が、頬杖をして微笑む。
「そんなことないよ…」
「ううん!そんなことある!
可愛い!!
な?」
「あぁ!」
「私、写真撮ってSNSにアップしたいもん!」
「♡、いっぱい貰えそう〜」
「だよね~!」
「秋穂ちゃん、やっぱダメ?」
「あ…」
「ダメだよ!」
秋穂の隣で、嵐人がきっぱりと言い放った。
微笑んでいるが、その鋭い視線と声色が“嫌悪感”を示していた。
「嵐人くん、そんな怒んないでよ〜」
「そうよ!
だいたい!私達は、秋穂ちゃんにお願いしてるんだから!!」
「あ…ごめんね。
私、苦手だから…」
“嵐くんを責めないで”
そんな気持ちを込めて、秋穂は言ったのだった。
「アキ」
「ん?」
「アルバイトの話だけど」
「うん」
「僕のアルバイト中、一基と二人で会ったりしないでね?」
「え?一基くん?
どうして、一基くんが出てくるの?
一緒に働くんでしょ?」
「そうだけど。
シフト制だし、一緒の時間帯とは限らないでしょ?」
「うん、まぁ」
「だからね。
二人で会ったりしないで?」
「うん、わかった」
「週三だし、そんな長い時間じゃないし、昼間だし、ちゃんとお留守しててね?」
「うん」
秋穂は頷きながら(どうして突然、そんな事言うのだろう)と不思議に思っていた。
二限目の講義が終わり、嵐人と秋穂は学食に向かった。
この時間からは、比較的秋穂は元気になる。
あとの二限は、嵐人と同じ講義を取っているからだ。
「あとは、一緒だね!」
「うん!」
嬉しそうに笑う秋穂に、嵐人は頭をポンポンと撫で微笑み返した。
「何食べようか?」
嵐人達の通うこの大学の学食は、美味しいと有名。
なのでこの時間帯の学食内は、学生達が多く賑やかだ。
メニューも豊富で、二人はいつも悩む。
「今日は、ロコモコにする!」
「じゃあ、僕は……天丼にしようかな?」
ここの学食は、まず食べるメニューを決めて、席を取ってから注文をする決まりだ。
二人は、あいている席を探す。
すると……
「ラン〜、秋ちゃーん!こっち!」
一基が呼んでいる。
一基の周りには男女の友人達がいて、二人分の席も確保してくれていた。
二人はそこに向かい、あいていた席に並んで座った。
「ありがと」
「一基くん、ありがとう!」
「ううん〜!
ほんっと、可愛すぎ!」
向かいに座っている一基が、頬杖をして微笑む。
「そんなことないよ…」
「ううん!そんなことある!
可愛い!!
な?」
「あぁ!」
「私、写真撮ってSNSにアップしたいもん!」
「♡、いっぱい貰えそう〜」
「だよね~!」
「秋穂ちゃん、やっぱダメ?」
「あ…」
「ダメだよ!」
秋穂の隣で、嵐人がきっぱりと言い放った。
微笑んでいるが、その鋭い視線と声色が“嫌悪感”を示していた。
「嵐人くん、そんな怒んないでよ〜」
「そうよ!
だいたい!私達は、秋穂ちゃんにお願いしてるんだから!!」
「あ…ごめんね。
私、苦手だから…」
“嵐くんを責めないで”
そんな気持ちを込めて、秋穂は言ったのだった。