二人の想い ~素直になれない~

愛斗の気持ち

今日の裕斗は地方の仕事だった。
夕食に招待されたが、招待したいのは『城野本海翔』に決まってる。
「裕斗に連絡してみます」と言ってみたが、
「あなたは大丈夫?」と聞かれた。
俺はついでだろうと判っている。
ほぼ家と仕事の往復の生活、予定的には大丈夫。
でもこんな俺が社交辞令を真に受けて行くわけにはいかない。
どうかして断ろうと思ってみたが押しが強くて断り切れなかった。
飛び込みの営業の気持ちでお邪魔した。

お母様が迎えてくれた。
「祥子、もう少しで帰ってくるから待っててね」


やっぱり営業に行って応接室で待たされてる気分。
来ない方が良かったのか?
でも何であれ祥子さんと繋げておきたい、裕斗に逢わせるまでは。

裕斗は祥子さんのことが気になってる。
祥子さん、いや高岳親子は裕斗のことは嫌いじゃないはず。
忙しい裕斗と祥子さんを何とかしたい。

祥子さんが帰ってきた。
やはり気を使って謝っている。
お母様は楽しそう。

差し障りのない話をしながら夕食を頂き、次は必ず裕斗と一緒にお伺いしますとお暇した。



< 14 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop