二人の想い ~素直になれない~
とりあえず裕斗に電話で報告。
「祥子さん親子、逢いたがってたよ」
裕斗の声が寂しそうに感じる。

「最近のワイドショー観てる?」
何時もは何も言わないのに今回のは気にしているのかも。
思ってたとおり、この前の熱愛報道は売名行為だったようだ。
「愛翔のも誤解が解けたから」
俺と祥子さんの写真も『海翔』と違うと判ったらしい。

「迷惑を掛けたから、来月の舞台、招待しようと思うんだけど…」
裕斗の気持ちを応援したい。
これは是非、自宅まで届けさせないと。

「裕斗、オフはいつ?
いつなら時間が取れる?」

「明日の昼間なら少し…」

早々に予定を入れさせた。
平日だけどお母様がいるから渡しておけば良いんじゃないか。
祥子さんがいないからか少し声が沈んでるように思った。
双子だから判るレベル。
「そうだな…渡してくる」
直接渡したいだろうけど、予定も有るだろうし、速いほうが良い。

その時、自分でもなにか判らない引っかかりを感じた。



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