二人の想い   ~素直になれない~
とりあえず店に入ることにする。
相変わらず申し訳なさそうにしている愛斗さん。
この人は何時も周りを気にしてる。

「ごめんね、俺なんかに付き合わせて。
日を改めた方が良かったよね
でも当日キャンセルするわけにもいかないし」
また謝ってる。
自分に自信が無いのは私と一緒。
でも謝るのは違う。

「どうして謝るの!」
年上か年下か判らないけどイライラして敬語じゃなくなった。
「悪くないのに謝らないで!
そんなことより、二人で食事して彼女さんは大丈夫?」

強く言いすぎた。
愛斗さんはぽかーんとしてる。
でももう遅い。
言い出したら止まらない。
「何か私に対して悪い事したの?」

「いや…」

「なら謝らないで!」
テーブルのシャンパンを乾杯もしないで一気に飲んでしまった。

「ぷっ…、ごめん
いや、また謝っちゃったね。
まず彼女はいないし、問題ない。
そんなことより、何時もと違うよね
その方が良いんじゃない」

なんかやらかしてしまった。
何も食べずに一気に飲んで、少し気持ちが大きくなってしまった。
もう店に入ってからのことは忘れて食事を楽しむことにしよう。


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