二人の想い ~素直になれない~
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愛斗さんと食事したのも覚えてるし、タクシーで帰ってきたのも覚えてる。
楽しかったし、もちろん御礼の連絡はするつもりだったけど母は私が覚えてないだろうと言っている。
覚えているのに…。
昼休み、昼食を買いにコンビニに出掛けた帰り視線を感じた。
あの記者の人だ。
気持ち悪いニヤニヤした顔が思い浮かぶ。
走って事務所に戻り、震える手を押さえながら愛斗さんにメッセージを送った。
スマホをにらみつけていたら電話が掛かってきた。
「仕事で少し遅くなるけど、外に出ないで待っててほしい
必ず迎えに行くから」と。
気持ち悪かったはずなのに、愛斗さんの声を聞いただけですっきりしていた。
私も案外チョロいなと思う。
今買ってきたサンドイッチを頬張った。