二人の想い   ~素直になれない~
定時を過ぎ、愛斗さんから、
『19時頃になるけど迎えに行くから待っててほしい』と、連絡があった。

2時間くらいなら大丈夫。
『大丈夫です
よろしくお願いします』

スマホを見てると由佳さんが、
「何時頃になるの?
私は時間大丈夫なんだけど、一緒に待ってて良い?」
心配そうに見てくれてる。

「私も予定が19時なんで一緒に時間潰しに付き合ってもらって良いですか?」
香那ちゃん、優しい…。

今まで友達なんかいないし、誰も私のことなんか気にしてないと思ってた。
こんなに心配をしてくれる人達がいるのに。
「ありがとう」
涙が出そうになった。

「え~、私が付き合ってもらうのに」

母だけじゃない。
私も母以外、誰ともお喋りしてなかったんじゃないかな。
周りにこんな素敵な人達がいたのに。

< 33 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop