二人の想い   ~素直になれない~
18時過ぎ、電話が鳴った。
愛斗さんが息を切らして『今、下に着いた』と。

みんな待たせてるのに先に帰るのが気に掛かる。
現状を察した由佳さんが、
「帰っても良いし、ここで話してから帰っても良いよ」
優しい…。
「あと、戸締まりして帰ってくれたら良いから」
でも今ちゃんと説明した方が、と言うよりしないといけない気がする。

愛斗さんに上がって来てもらうよう伝えた。
そして「由佳さん、香那ちゃん、一緒に話し聞いてもらえませんか」と。

事務所に入ってきた愛斗さんを見て固まってる二人。
そっか、愛斗さんと裕斗さんの区別が付かないんだ。
全然違うのにどうして判らないんだろう。

「お邪魔します」
なんて言ったら良いか判らないでモジモジしてる。
助け船を出さないと。

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