二人の想い   ~素直になれない~
何度か訪れている橘樹家。
いつも緊張してるが、今日は特別。

付き合いの了承が先か、東京に行くのを止めてもらうのが先か?
遅い時間だし付き合いの了承は日を改めるべきだな。

「ただいま~」
呑気な彼女が羨ましい。
「あら、愛斗さんも一緒なのね」
どう話せば良いのか、とりあえずお邪魔する。
  
今回、裕斗と間違えられて祥子さんに迷惑を掛けてしまった事を詫びた。
「それで今度、双子だと誤解を解く会見をする事にしました
それで少しは落ち着くと思います
それで私だけで東京に行くつもりなんですが、祥子さんが…、「私も行くから」」
いやいや、この行く気満々な祥子さん、可愛いけど我慢してもらわないと。

「祥子、あなたは自分が行った方が説得力あると思ってるみたいだけど、何かあった時、愛斗さんや裕斗さんが困るのが判らないの!
愛斗さんもはっきり言わないと『迷惑だ』って」
…、言えない。
それでも彼女は、「なら表に出ないで陰から見てるだけにするから」と、お母様に反論してる。
親子の会話にはいれない。

結局、「勝手にしなさい」
「判った、勝手にする」で、二人のやり取りが終わった。

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