二人の想い ~素直になれない~

裕斗(海翔)の気持ち

「海翔、次の共演者と熱愛だって。
いい加減にして欲しいよな。
向こうは全く否定してないらしいし、
売名行為ってやつ?」

別にどうでも良い話だけど、纏わり付かれるのは女の子も記者も集中出来ないから噂は無い方が良い。
売れたいならもっと違った努力をすれば良いのに。

そんな話をしていたらフリーの記者が事務所に入ってきた。

「海翔さんのニュース、今週の週刊誌に載せるのに確認しようと思って」

またかと思いながら、マネージャーと一緒に写真を見せられた。

「愛斗(まなと)…」

写っていたのは双子の弟、愛斗だった。
俺たちは普通の兄弟よりもたぶん仲が良い。
だから愛斗が今誰かと付き合っているのは聞いてないし、この写真に違和感を感じた。

「これはどこで?」

「何寝ぼけたこと言ってるんですか
昨日のこと忘れてないでしょ
彼女さんともう口裏合わせて」

えっ、この女性ともう接触しているんだ…。
愛斗のことだから、きっと間違って追い掛けられて…、二人に迷惑を掛けている。
とりあえず愛斗に連絡を取らないと。

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