二人の想い   ~素直になれない~
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「愛斗、一昨日友達と写真撮られてるぞ
彼女じゃ無いなら謝っとかないと」
裕斗からの電話に驚いた。

「友達じゃ…ない
追い掛けられて助けて貰った」
どうしよう、って言うかどうすることも出来ない。
裕斗には迷惑を掛け無いようにしないとと思ってたのに、反対に迷惑を掛けている。
関係の無い人までも。

双子なのに二人の性格は真逆。
裕斗は社交的なのに俺は内向的と言うか陰気。
親がもう少し裕斗のようにと子供の頃二人を劇団にいれた。
すると裕斗は『城野本海翔』としてどんどん売れていった。

顔はほぼ同じだから仕事先でもバレやすい。
周りからは顔で営業していると妬まれる。
性格はこんなに違うのに。

とりあえず、昨日の場所まで行って彼女を探さないと。
自分でできることは少しでもやらないと。

「俺も当たってみるから」
裕斗は性格も良い。
忙しいのに迷惑をかけるわけにはいかない。
とりあえず仕事帰りに一昨日のところで待ってみるか。

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