二人の想い ~素直になれない~
仕事帰りの17時過ぎ、昨日の現場にダメ元で行ってみた。

少しは期待はしていたけど、無理だと思ってた彼女が歩いてきた。
「あの…えっ!」
駆け寄ろうとしたとき、彼女の前に裕斗が現れた。
何故ここが判ったんだ?

近付いてきた二人に明らかに驚いてる。
芸能人ともう一人同じ顔の人間がいることに。
「…裕斗」
思わず声が出てしまった。
周りを見回すと今のところ誰も気がついてないよう。
だけど、裕斗は二人の手を掴んで近くに停めてあった車に押し込んだ。

「迷惑を掛けてごめん」
裕斗とハモって言った。

俺はどうすれば良いか判らない。
ただ、とりあえず二人に謝りたかった。
裕斗は何も悪くない。
昨日は記者らしい人に見つかって反射的に逃げてしまった。
そして彼女を巻き添えにしてしまった。


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