二人の想い ~素直になれない~

裕斗(海翔)の気持ち

愛斗は彼女が気になってると思う。
女の子の手を引くなんて事、普段はしない。
とりあえず彼女の家まで二人を届けよう。
後は愛斗がどうにかするだろうから。

彼女の家が近づくと、誰かが立ってる。
明らかに記者では無い。
彼女が降りて駆け寄り、
「お母さん、如何したの」と。
男と一緒に、フルスモークの車から娘が降りてきたら心配に決まってる。
しかも『城野本海翔』が二人いる。
キスの事は何とか誤魔化しながら話してる。

「玄関で立ち話もなんですから、どうぞ上がってくださいな」

『城野本海翔』のことは触れないで声を掛けてきた。
いらつくマネージャーを無視して少しお邪魔することにした。

毎日仕事帰りに電話を掛けているらしい。
それが2日続けて無かったから、それに何時もより帰りが遅かったから心配したとか。
アラフォーの大人の心配にしては驚いた。
電話がないことや、まだ19時前だけど何時もより少し遅いくらいで。

着替えて眼鏡を外して現れた。


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