重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 それも普通の恋人であっても時や状況が合わなければ別れることがあるのだから『運命の番』だって、そうなのかもしれない。

「もし身分差で結ばれないくらいなら、俺は一人でここを去って生きます。姫は俺が居なくなっても、すぐに代わりが出来るでしょうが……獣人にとっての『運命の番』はそれほどにまで拘束力があるものなので」

 彼がたとえたのは『私がデュークの運命の番だった場合』の話だ。

 それはちゃんと理解しているはずなのに、なぜかデュークは苦しそうだった。

 してはいけない期待だと、わかっていた。けれど、胸がときめいた。

「……私も、一生デュークだけを想うと誓ったら?」

「だから、そういうのは重いですって……姫は、才色兼備で身分もある。俺には本当に……勿体無いっすよ」

 デュークは物のわかった大人だし、私は彼にわがままを言っているだけ……いつまでもそんな関係でなんて居たいはずがない。

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