重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「どうか……僕の前ではかしこまらないでください。私はアリエル様に結婚を申し込みに来たのですが『お前に娘はやれぬ』と陛下により断られてしまいました。ご本人にも会えずに、このまま帰国するしかないかと思っていたのですが、こうして、お顔を拝見する機会を頂けて光栄です」

 片手を軽く上げ堅苦しい姿勢を解くようにと指示したルイ様は、彼へ視線を向けた私に苦笑した。

 やはりサミュエル様の言っていたことは、本当だったのだ。

 この前に、とても広い領土を持つ皇帝の縁談すらも私の家族は断ったくらいなのだから、目の前の人が何か欠点を持っているという訳でもないと思う。

 ただ、私の保護者が過保護なだけなので、彼にはそれは誤解して欲しくない。

「大変失礼いたしました。ルイ様ご自身が悪いとかダムギュアが私の嫁ぎ先として条件に相応しくない合わないという訳ではないのです。父は亡くなってしまった母の分まで、娘の私に思い入れを感じてしまっているようなので」

「そうだったのですか……」

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