重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 デュークがあの時に戦ってくれたことは、我が国ユンカナン王国側から見れば、国を守ってくれただけに過ぎない。

 国の盾として戦ってくれた戦闘員のデュークを彼が責めるというのなら、私たち王族はデュークの前に出るべきだろう。

 彼を責めるなら、私たちを先に責めなさいと。

「なんすか。あの人」

 ルイ様とお付きの人々の一行をなんとなく見ていると、デュークがすぐ背後にやって来ていた。

「わ。デューク。驚いた……あっ……えっと、隣国の王太子で……今から帰られるところなの」

「……ふーん。やたら色男っすね。姫の縁談相手っすか?」

 隣国といえど、王太子その人がわざわざ外交にやって来るなんて、通常であればあり得ないことだ。デュークがそう察したとしても、不思議でもなんともない。

 そして、思う通りで事実ではあった。

「ええ。けれど、私のところに話が来るまでに、断られてしまったみたいなの」

「そうっすか。またなんすね。陛下も殿下も、本当に過保護っすね。姫も花も匂う妙齢だと言うのに」

 ここ数日私を避けているデュークは、それを思わせることもなく自然体だ。

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