重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 いいえ。そもそも、避けているはずの人に対し、こんな風に近づいてくるだろうか?

「ね。デューク。私を避けていた?」

 私は我慢出来ず、彼に直接聞くことにした。

「……いや? そんなことないっすよ。俺は最近ユンカナンを荒らし回っている盗賊団の話で、ここ数日忙しかったっす。陛下は絶対に全員逃すなとお怒りなもので、団長職は俺だけじゃなくて、全員走り回っているはずっすよ。マティアスに聞いてないすか?」

 飄々とした態度のデュークを見て、私は避けられてはいなかったとほっと胸を撫で下ろした。

 それに、私との縁談云々を、お父様から何も聞いていないみたいだし。

「マティアスからは、忙しいとは聞いたけど……理由はそう言えば、聞かなかったわ」

「……あいつも、俺の部下なんで。姫と言えど……上司が何をしているかというのは、言えないんですみません」

 デュークは話しながら何故かダムギュアの一行を目で追いながら、難しい表情をしていた。けど、私の言葉を聞いて、ようやくこちらを見てくれた。

「ねえ。デューク。私、貴方に前々から……聞きたかったことがあったんだけど」

「良いっすよ」

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