重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 だって、デュークに会えないなんて耐えられない。

「お願いデューク。私。久しぶりに湖の近くにある離宮に行きたいんだけど……噂に聞けば、なんでも近くでも盗賊が出るんですって。けど、貴方と一緒だったら何があっても大丈夫だから。お父様にも許して貰えるわ」

 私のこうした突拍子のない行動にも、これは後ろ盾があるなと察したのかもしれない。デュークは大きく息をついた。

「姫が離宮に行っても、護衛騎士が居るから絶対大丈夫っすよ。姫のお付きの騎士は、うちでも結構強めなのを選んでますんで」

 そういえば、最近の私の護衛騎士は、何故かゴツゴツしている大きな身体を持つ男性が多い気がする。彼らは獣人だったのかしら。見た目からして強そうと言われれば、そうだけど。

 こうして離宮に行くのも何が目的かと言われれば、デュークと一緒に居たいだけなので、そうだとしても何の意味もないのだ。

 別に仕事の邪魔をしたい訳ではない。

 王族の私がもし離宮に行けば、団長のデュークが警護任務に付いて、それが仕事になるってだけだから。

「……デュークが居ないと、不安なの。お願いだから、付いて来て」

「……」

 デュークは大きくため息をついて、私をじっと見つめた。


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