重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~

20 欠伸

 そんなこんなを経て、権力者の思惑通りに動く侍女二人の口車に乗せられた私はデューク率いる護衛騎士たちを引き連れ王都近くの森の中にある離宮にやって来た。

 辿り着いたばかりで私の部屋に持ってきた荷物を入れて整うまで、テラスで居ることになった。

—————そんな私を襲って来たのは、深い深い後悔だ。

 継承権は低いとは言え直系王族の一人、つまり私が公的に移動して他所に滞在するとなると、王都のお忍びの時のように最小限のお付きの者のみと言う訳にはいかない。

 それなりの役目の者たちを連れ、ある程度の人数になってしまう。

 単騎であれば一日の距離を仰々しい一行が三日掛けて目的の離宮に辿り着き私は正直疲れていた。

 デュークに会えない余りに自分はなんと言うことをしてしまったのだろうと。

 多分、通常の状態にあればこんな我が儘でしかない旅は、思い留まれたとは思う。

 けれど、このところの私はお父様がデュークに私の縁談を持ちかけて、それがどうなったのかが、気になって気になって堪らなかったのだ。
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