重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「そうですよ。せっかく、首尾よく獅子を連れ出せたと言うのに。ここに来るまで、全く会話もされていないではないですか」

「待って。私いま、国益もない私利私欲のために王族の権力を使ってしまったことを、ご先祖様の皆様に、深くお詫びしているところなんだから」

 眩しい太陽を見上げつつ両手をぎゅっと握りしめていた私がそういうと、二人は顔を見合わせた。

「姫様が元々持っている物なのですから、別に使って困るようなことではないのでは? 姫様は真面目過ぎるのです。王族という不自由な身分なのですから、少々の我が儘を言っても、別に良いではないですか」

「そうですよ。適齢期になっても決定していない姫様の結婚相手がようやく決まるんですから……姫様と結婚出来るかもと変に期待を掛けた、国賓の男性やその使者を持て成すために、税金が使われることがなくなればそれだけでも十分に国益に適うかと」

「そうね。そういう考え方も、あるのかしら……?」

 確かにこの前のダムウェア王国の王太子ルイ様だって、彼自らがユンカナン王国まで出向いた。

 賓客として彼を持て成すのなら、それなりのお金は掛かってしまうはずだ。

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