重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 それが、私が結婚相手を決めれば落ち着くとなるなら、私なりのこれを仕出かした理由の落とし所になりそうだ。

「そうですよ。姫様。この旅は、獅子を落とすチャンスですわ。こんなところで一人、天に召されたご先祖に祈りを捧げている場合ではありません」

 エボニーとアイボリーの二人は、私とデュークをくっ付ける方向性で熱心に動いているようだ。

 これはおそらく、彼女たちが面白がってそうしているのではない。

 私からデュークと結婚したいと聞いたお父様が、ラインハルトお兄様に相談したのかしら?

 そう考えれば、彼女たちの行動が理解することは出来る。

 過保護なラインハルトお兄様は、妹の恋路にまで手助けをしてくれるようだ。

「……ええ。出来れば……この場所で、既成事実を作るのが望ましいですわ」

「ええ。獣人は、凄いと言いますから」

「凄い……凄いって?」

 思ってもみなかった色っぽい方向に転がり出した話題に、私は目を白黒させた。

「なんの話っすか?」

 キャーという甲高い悲鳴が響いて、私たちに何かを伝えに来た様子のデュークは頭の上にある獣耳を押さえて渋い表情を浮かべた。

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