重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 余裕ある振る舞いで、飄々としている。キリッとはしてなくて、ダルそうな態度。そう言うところも、素敵なんだけど。

「……姫? どうかしました?」

「別に、どうもしていないわ……デューク。もう周辺を出歩いて良いのなら、散歩に付き合って欲しいんだけど」

「……別に良いっすけど」

 デュークは肩を竦めて頷いた。私は慌てて座っていた椅子から立ち上がり、彼の腕を取った。

「え。姫。なんで、そんなに急いでるんすか。散歩って、まったり道を歩くんじゃないすか」

「デュークの気が変わって、やっぱり止めたって言われれば嫌だから」

 彼の腕を引いて早く早くと言わんばかりに歩き出した私に、デュークは続いて歩きつつ苦笑した。

「俺。そんなに、気まぐれな性格でもないっすけどね。猫は猫でも、獅子は群れを為す習性もあるんで、規律にはそれなりに従うっす」

「怠惰だけど……規律は、厳しいの?」

 それは両立するのかという疑問が浮かんだ私に、デュークは苦笑した。

「……そうっすね。俺も、した約束守りますよ。ちゃんと」

 離宮とは言え、いつ誰が来ても良いように整えられていたのだろう。

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