重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「姫。じゃあ、侍女を探してこちらへと寄越しますんで。少しだけ待っててくださいね」

 デュークはあっさりした態度で去ろうとしたので、私は慌てて彼に声を掛けた。

「あっ! あの! デューク!」

 振り返ったデュークは、不思議そうに首を傾げた。

「姫。なんすか? わかっていると思いますけど。俺は整備責任者で、さっきの奴の取り調べ行かなきゃいけないんで……」

「……ごめんなさい。私のせいだわ」

 ここにこうして、来たのも。デュークが良く分からないあの不審者に命を狙われたのも。

 面倒な身分を持つ王族の私が、一緒に居たから。

「姫のせいじゃないっすよ。すみません。あいつら不審者侵入の結界も通り抜けてますし。もしかしたら、例の逃げ道が分からない盗賊と関係あるかも知れないっす。そうだとしたら、早く報告しなきゃいけないんで」

 デュークは、いつも仕事の話ばかりだ。

 それはそのはずだ。だって、彼は私と会いたくてここに居る訳でもない。

 何もかも、デュークの仕事だからだ。望んだことではない。

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