重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 だが、このユンカナン王国国内にてアリエル姫殿下が命を狙われ、彼女が命を失ってしまえば、王家は要となるただ一人の人物を喪ってしまうことになるだろう。

 特に彼女とは同母の兄である、王太子ラインハルト殿下の妹への溺愛振りはとても有名だ。国民ならばそれを知らぬ者は居ないはずだ。

 姫は生まれた時から家族に溺愛されることが日常なので当たり前だと思っているかもしれないが、周囲から見れば、長兄からの執着が常軌を逸していることは丸わかりだ。

 ユンカナン王国ではラインハルト殿下の、以前の婚約者が亡くなった理由を取り沙汰することはあまりない。

 国民が皆、それに触れてはならないようなそんな気がしているからだ。

 王太子ラインハルト殿下の婚約者は妹に対し異常な執着を見せる彼に、生前苦言を呈していたらしい。

 妹離れをして、いずれ結婚する自分を見て欲しいと。それは、政略結婚であろうが、その相手を良く思い愛して欲しいと願っていれば当然のことだ。

 異性の俺にだって、その感情の流れは理解することが出来る。

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